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歯医者の初診料って何?値段はどれくらい?

「あれ?こないだ治療を受けたのにまた初診料がかかるの?」
歯医者さんでもらう診療内訳の領収書に書かれた「初診料」。実はこの初診料、1回限り、最初だけ支払えば良い、という費用ではありません。今回は、「初診料とは」「再診料との違い」および「保険診療と自費診療の違い」についてご説明します。

歯医者の初診料とは?

初診料とは「初めて受診した際の基本料」

歯科医院で診察や治療を受ける際には、治療代やお薬代のほか、「初診料」もしくは「再診料」を請求されます。
初診料とは、歯科医院を「初めて受診した際にかかる基本料金」です。
再診料とは、歯科医院を「2回目以降に受診した際にかかる基本料金」を指します。
初診料はひとつの病気に対して「初めて受診した時」に発生します。歯科医院の場合はひとつの病気に対して3ヶ月以上、間が空いた場合に再度、初診料が必要となります。

初診料の金額は?

初診料の料金は政府が決める診療報酬改定を基準に中央社会保険医療協議会で審議したのち、厚生労働大臣が決定します。診療報酬改定(診療報酬の見直し)は2年に1度行われます。
2020年7月時点での歯科初診料(診療報酬点数)は以下のとおりです。

・歯科初診料:261点

初診料は国が定める基本料金です。保険診療においては全国一律の料金となります。自費診療の場合は料金を自由に設定できるため、歯科医院ごとに初診料が異なります。
上記の歯科初診料は通常営業時間に診療を受けた場合の料金です。休日診療や時間外診療(早朝や深夜など)を受けたときには別途、加算費用が必要となります。

実際に支払う金額

上記の初診料の点数とは国が定める診療報酬点数です。1点=10円で計算します。
2020年7月時点での歯科初診料は、261×10円=2,610円です。ただし、これは保険算定前の基本料です。
保険の自己負担額が3割の場合は、2,610円×0.3(3割)=783円が実際に支払う初診料となります。1割負担の方は261円です。

初診料と再診料の違い

再診料=2回目以降の診療時にかかる基本料

初診料とは別に「再診料」という基本料も存在します。再診料とは「2回目以降の診療時にかかる基本料」です。期間を空けずに継続して通院している場合は初診料ではなく、診療時に毎回、再診料を支払います。
2020年7月時点での歯科再診料(診療報酬点数)は以下のとおりです。

・歯科再診料:53点

実際に支払う再診料は、3割負担の場合530円×0.3(3割)=159円になります。1割負担の場合は53円です。

患者様の都合で治療を中断した場合には初診扱いになる

患者様の都合で治療と治療の間が2~3ヶ月以上空いた場合は再診料ではなく、再度、初診料が発生します。ただし、歯科医師の指示によって期間が空いた場合は初診にはならず、再診扱いとなります。
中断期間については3ヶ月以内を再診としている歯科医院が多いですが、2ヶ月以内に設定しているところもあります。

保険診療と自費診療の違いについて

歯科医院で行う診療(診察と治療)には、保険診療と自費診療(自由診療)の2種類があります。歯医者さんで詰め物や被せ物の種類を選ぶときや、ホワイトニングなどの審美歯科治療を受けたことがある方は「保険と自費の違い」を感じた経験があるのではないでしょうか。ここでは、保険と自費、それぞれにどのような違いがあるかをご説明します。

診療費の自己負担額が異なる

保険診療は保険が利きます。70歳未満なら3割負担、70~74歳なら2割負担、75歳以上は1割負担です。自費診療は原則、治療費を全額自己負担します。

治療内容や治療に使う素材が異なる

保険診療は国が定めた必要最低限の治療を行います。必要最低限の治療とは、歯科治療で言えば「歯や歯茎の機能や健康を、日常生活に大きな支障がない程度にまで回復する」治療を指します。治療に使う素材もプラスチック樹脂のレジンや銀歯など、法律によって定められた歯科用素材しか使うことができません。
自費診療は保険診療とは異なります。機能や健康の回復はもちろんのこと、「美しさ」や「使い心地」、「身体への影響(身体へのなじみやすさ)」にも配慮した治療を行います。治療素材は審美性の高いセラミックや歯になじみやすいゴールド(金)など、さまざまな物から自由に選択可能です。

治療の選択肢が異なる

たとえば、歯を失ってしまった場合、保険診療でできる治療はブリッジまたは入れ歯のみです。自費診療であれば、これらに加えてインプラントを選択できます。

虫歯の進行状態別の費用相場

虫歯は進行度合いによって治療方法や治療費が異なります。虫歯は初期段階のうちは治療費も比較的安いですが、進行するにしたがって費用が増えていきます。
保険の場合、診療費は全国一律ですが、レジンや銀歯、硬質レジン前装冠など、選択する詰め物や被せ物の種類によって同じ保険診療でもそれぞれの歯科医院ごとに費用に差がでます。
以下は保険診療で虫歯治療を受けた場合の費用相場です。

C0~C1(初期段階の虫歯)

C0~C1(初期段階の虫歯)

1,500円~3,000円(3割負担)

C0~C1は初期段階の虫歯です。歯のいちばん表面にあるエナメル質が溶けた状態を指します。ごく初期であれば歯は削らず、フッ素塗布などで様子を見ます。歯を削る場合も少量で済み、白いプラスチック樹脂のレジンで削った箇所を埋めます。麻酔は使いません。

C2(中程度の虫歯)

C2(中程度の虫歯)

2,000円~10,000円(3割負担)

C2は中程度の虫歯です。エナメル質の下にある象牙質に虫歯が進んでしまった状態を指します。治療は麻酔を使い、歯を削ってレジンまたは銀歯で詰め物をします。

C3(重度の虫歯)

C3(重度の虫歯)

7,000円~20,000円(3割負担)

C3は虫歯菌が歯の神経(歯髄および根管)にまでおよんでしまった重度の虫歯です。治療では歯の神経を抜く抜髄をしたのち、根管内部を清掃する根管治療を行います。根管治療は通常、複数回行います。根管治療で歯を清掃したあとは削った部分を保護するため被せ物(銀歯や硬質レジン前装冠など)をします。強度不足の場合にはコアやポストと呼ばれる土台を入れることもあります。

C4(歯がぼろぼろに崩れ落ち、根元だけ残った虫歯)

C4(歯がぼろぼろに崩れ落ち、根元だけ残った虫歯)

7,000円~20,000円(3割負担)

C4は歯の歯冠部分(歯茎より上の見えている部分)がぼろぼろに崩れ落ち、歯の根元(歯根)だけが残った状態の虫歯です。この段階になると歯を残すことはほぼ不可能になります(まれに差し歯で対処できるケースがあります)。抜歯を行い、ブリッジまたは入れ歯(義歯)、インプラントのいずれかで歯を補います。
両隣の歯が残っている場合はブリッジを選択可能です。入れ歯については、歯が残っている場合、部分入れ歯を選択できます(残存本数によっては総入れ歯を選択)。歯がほとんど残っていないまたはすべての歯が失われた場合には総入れ歯となります。インプラントは顎の骨量、糖尿病や骨粗しょう症、喫煙習慣があるかなど、患者様の顎の骨の状態や健康状態と相談しながら治療が適応できるかどうかを検討します。

まとめ

保険診療で受ける歯科治療には、初診料や再診料など、非常に細かい国のルールが存在します。注意しておきたいのは、保険診療でも歯科医院によって治療内容や素材が異なり、総額費用もそれぞれの医院ごとに差がある、という点です。
自費診療は保険診療とは異なり、初診料や再診料、治療費などをすべて自由に設定できます。ただし、自由に設定できるとはいえ、自費診療もある程度の費用相場は存在します。
歯科治療は「なるべく安く済ませたい」とお考えの方も少なくありません。保険か自費、どちらにするかはご自身の希望と歯科治療にかけるご予算との兼ね合いになります。最低限、痛みがなくなり機能が回復すれば良い、という方は保険診療が第一の選択肢です。見た目の良さや使い心地、身体へ影響の少なさなどを希望する場合は、自費診療をおすすめします。
当院ではお一人おひとりに適正な費用を設定しておりますが、不明点や疑問を感じる場合は細かくご説明させて頂きますので、お気軽にお尋ねください。

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