スタッフブログ

予防歯科のクリーニングと保険の歯石取りの違い

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってからの治療ではなく、なる前に検査やクリーニングなどの処置を行うことです。症状の有無に関わらず、定期的に歯科医院へ通院し、虫歯や歯周病などの検査・治療・生活指導などを行います。予防歯科を受けることで、お口の中の病気の発症を未然に防ぎ、将来歯を失うリスクを減らすことができます。日本ではあまり知られていませんが、歯科先進国のスウェーデンでは予防歯科が定着しており、虫歯や歯周病で歯を失う人が少ないのです。

予防歯科の通院メリット

予防歯科に通院するメリットは、以下の通りです。

  • お口の中の病気を未然に防ぐことができる
  • 早期発見、早期治療ができる
  • 将来歯を失うリスクを減らせる
  • 健康寿命が延びる可能性がある
  • 認知症のリスクを減らせる
  • 全身の病気を予防できる
  • 将来かかる医療費の負担を軽減できる可能性がある

歯垢と歯石の違い

歯垢とは、「プラーク」または「バイオフィルム」とも呼ばれており、歯の表面に付着している白いネバネバしたものです。歯垢は食べかすではなく細菌の塊で、1mgの歯垢には約300種類、数億~10億もの細菌が存在しています。これらの中には、虫歯や歯周病の原因となる細菌も存在しており、磨き残しによって歯垢がたまると細菌が出す毒素によって虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
歯垢が唾液の中のミネラルと結合して石灰化したものが歯石です。歯垢は歯磨きで落とせますが、歯石になると歯の表面に強固に付着してしまうため、歯磨きで落とすことができません。また、歯石は表面がザラザラしており、歯垢がつきやすい特徴があります。そのため、歯石を放置すると歯垢がたまり、さらに歯石が増えてしまうのです。歯石はすでに死んでしまった細菌の塊であるため、直接歯周病の原因にはなりません。しかし、歯石についた歯垢によって歯ぐきが炎症を起こし、歯周病の発症や進行するリスクが高まります。

保険の歯石取りと自費のクリーニング(PMTC)の違い

初診時や治療前、定期検診などで歯石取りを受けたことがある方は多いでしょう。歯科医院で行うクリーニングには、保険の歯石取りと自費のクリーニング(PMTC)があるのをご存じですか?ここでは、それぞれの違いについて解説します。

保険の歯石取りとは

保険の歯石取りとは、検査で歯周病や歯肉炎が認められた場合、治療の一環として行う処置です。「超音波スケーラー」や「ハンドスケーラー」と呼ばれる機械や器具を使って歯石を除去していきます。

効果

歯石を除去することで得られる効果は、以下の通りです。

  • 虫歯、歯周病、口臭を防ぐことができる
  • 歯肉炎や歯周病の改善が期待できる
  • 歯磨きで出血しにくくなる
手順

保険の歯石取りの手順は、以下の通りです。

  1. 虫歯や歯周病の検査・レントゲン撮影
  2. 検査結果をもとに歯科医師が診察
  3. 超音波スケーラーやハンドスケーラーを使用して歯石除去

保険の歯石取りは、歯石を取る前に虫歯の有無・歯周ポケットの深さの計測・レントゲン撮影でお口の中の状態を確認します。検査結果をもとに歯科医師が診察を行い、歯周病や歯肉炎と診断された場合、歯石取りを行うのが一般的です。歯石取りでは、超音波スケーラーやハンドスケーラーを使用して、歯ぐきの上についた歯石や歯ぐきの下についた「縁下歯石」を取り除きます。

施術時間・通院回数

一般的に施術時間は、60~90分程度になることが多いです。また、歯石がついている量によって2~6回の通院が必要になることがあります。

自費のクリーニング(PMTC)とは

自費の歯のクリーニングで行われるPMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」を略したもので、専門家が機械を使って歯垢・歯石・着色の除去を行うことです。予防や審美を目的とした自費診療のため、使用する道具や内容に制限がなく、患者様に合わせた施術が行えます。そのため、歯科医院によって施術内容は異なり、中には歯のパックや唇のケアなどを提供している歯科医院もあります。

効果

PMTCは歯石取りの効果に加えて、以下の効果も得られます。

  • 着色も取り除くことができ、歯本来の白さを取り戻せる
  • 歯の表面がツルツルになり、歯石・歯垢・着色の再付着が防げる
  • 歯質の修復、強化が期待できる
手順

PMTCの一例として以下の手順を紹介します。

  1. お口の中の状態を確認
  2. 超音波スケーラーやハンドスケーラーで歯石除去
  3. 専用の器具・機材を使用して、歯の表面に付着した歯垢・着色を除去
  4. 専用の薬剤で歯質の修復・強化

歯や歯ぐきの状態、着色汚れの程度などお口の中全体を確認します。歯科医院によって、唾液や細菌検査を行うことも。つぎに超音波スケーラーやハンドスケーラーで歯石を取り除き、専用の器具・機材を使用して歯垢・着色を除去します。歯面をツルツルに仕上げることで、歯垢や着色の再付着を防ぎます。最後に専用の薬剤で歯質の修復・強化を行い施術終了です。

施術時間・通院回数

施術時間は60~90分程度になることが多いです。保険の歯石取りと違って、1回で全ての汚れを取り除くことができます。

歯石除去とクリーニングを行うメリット

虫歯や歯周病の予防につながる

歯垢には虫歯や歯周病の原因となる細菌が存在しています。毎日しっかり歯磨きをしているつもりでも歯ブラシがうまく届かないと、歯垢が残っていることも多いです。歯垢がたまると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯石除去とクリーニングは、歯周ポケットの中に付着した歯垢と歯石を除去できるので、虫歯や歯周病予防につながります。

口臭予防につながる

歯垢は口臭の原因になります。歯垢や歯石を除去することによって、歯垢の量を減らすことができれば口臭の予防につながります。

審美性が向上する

自費のクリーニングでは、歯に付着した着色を取り除くことができ、歯本来の白さと透明感を取り戻せます。ただし、ホワイトニングのように歯本来の色よりも白くはできません。

歯質の強化ができる

歯垢や歯石を除去したあとにフッ化物が含まれている研磨剤の使用や、フッ化物を塗布することで、歯質の強化が期待できます。

健康的な歯ぐきになる

歯ぐきからの出血がある場合、歯と歯ぐきの中(歯周ポケット)に黒い歯石ができることがあります。歯石取りやクリーニングを行うことで、歯ぐきが引き締まって健康になり、出血しにくい状態になります。

エアフローを使ったクリーニングを行っています

エアフローとは、専用のパウダーとジェット水流を歯に吹きつけて汚れを落とす機械の一種です。粒子の細かいパウダーで、歯を傷つけずに歯垢や着色汚れを落とします。また、超音波スケーラーなどの器具や機械が届かないような、歯周ポケットや矯正装置の周辺などに付着した汚れも効果的に落とすことが可能です。
エアフローは、高圧洗浄機のように効率よく汚れが落とせるため、施術も短時間で済みます。施術後は、歯の表面がツルツルになるため、歯垢や歯石、着色の再付着が起こりにくくなるのもメリットです。
当院では、エアフローを使ったクリーニングを行っています。歯垢や着色汚れが気になる方はもちろん、ホワイトニングを検討されている方もおすすめです。気になる方はお気軽にご連絡ください。

【関連ページのご案内】※あわせてご覧ください!

予防歯科ページ

z